前回からの続きです。
1)スタジオとメンバーは、2日間確保してある=この2日間しか集えない。
2)ピアノとRhodesとシンセ類の録音が必要。
3)そもそもシンセ類は自宅から持ってきたもの
4)現場にあるRhodesは井上さんtsからの借り物だが、自宅にも自前のRhodesはある
5)ついでに、Twinreverbもあるし、宅録機材もある。
というわけで、この状況で最優先すべき事は何だろう?
やはり、自分以外のメンバーのテイク。その次に、自分のピアノのテイク・・・と判断しました。
メンバーは次にいつ集えるかわからないし、これ以上振り回す訳にはいかない。
ピアノは同じ環境で後日、録音する事は難しい。同じピアノでマイクがセットしてるうちになんとか押さえておきたい。
その他のRhodesやシンセ類は、後日、自宅で重ね録りすればなんとかなる。
というわけで、1日目はピアノ使用の曲を中心に進めることに。最悪、ピアノはうまく弾けなくても、また別途録音するしかない。バラバラに録音できるスタジオを選んでおいたのが救いでした。
ピアノメインの曲は、11曲予定中、5曲。これだけは確保したい。
というわけで、順番に録音を進めていきました。ヘッドホンだけでお互いが繋がり、一体となる瞬間だけは痛みも忘れられた瞬間もありました。
でも痛いものは痛いのであります。科学の問題でございます。根性とか気合いにも限界はあります。
それでも集中して、コードワーク部分は割と順調に進みました。バンドのグルーブも徐々に一体感が増してきた。「何とかなるじゃないか」と。そしてメンバーの実力の高さに感動。このメンバーで正解だったと再確信!!
しかし、自分のアドリブソロは、まるっきしダメでした。元祖ダメダメ星人でした。何も思いつかないし、身が入らないのです。「ソロは後日にやり直すしかないかな?」と諦めモードに。
取り急ぎ、5曲はベーシックなテイクは(ピアノソロ以外は)確保できたので、私以外のメンバーの細かい修正をしたところで、残り30分。
メンバーにはそこで終了してもらって、私だけ残って、最後の力を振り絞って、ピアノソロの録り直しをしたのです。
もはや、力一杯出し切るようなプレイをする気もなければ、出来る気もしなかった。
「力を抜いて弾け」というご先祖様からのメッセージなのだろうと前向きに解釈するのに力一杯。
それはそれで、ある意味良いヒントです。何とか時間内にシンプルな内容で形になった気がしたので、初日は終了。
駅まで歩けず、タクシーを呼び止め、座席によじ登るようにして座ってたった一駅先の自宅まで。
タクシーを降りて、扉まで辿り着くのに力一杯。
一生忘れられない、長い1日でした。
結論(断言):腰を折ると心も折れる